大型ストライカー育てる努力を
【金子達仁】2006年09月10日

 日本代表は心配。五輪代表はもっと心配。だが、いまわたしか一番気になっているのは、さらにその下年代についてである。

 磯貝が現れたかと思えば小倉が現れ、中田が出現したかと思えば小野が続く。ゴールドラッシュよろしく、毎年毎年新たな鉱脈が発見され、レベルも右肩上がりの状態が続いていたもの今は昔。ここ数年、日本の若年層からは「怪物」とか「天才」と言われるような選手がでてきていない。

 残念ながら、その傾向は今年も続きそうだ。というのも、先月、大阪で行われた高校総体をのぞいてきたのだが、こちらが名前と顔を覚えておきたい、というような選手にはついにめぐり合うことができなかったからである。

 もちろん、すべての試合を見たわけではないからだ、わたしが見逃した才能が隠れている可能性は十分にある。総体には出場できなかった学校に逸材がいることだってあるだろう。だが、そんなことより気になったのは、選手たちの体格だった。

 小さくて細いのである。

 高校生の平均身長は体格が10年前よりも小さくなっている、というデータは聞かないし、高校野球など見ると、堂々たる体躯(く)の選手がダイヤモンドで活動している。ところが、全国大会に出場してくるような強豪サッカー部の選手たちは、10年前よりも明らかに小さく、細くなっているように見えた。

 大会のパンフレットを見てみると、必ずしも錯覚ではないことが明らかになった。背番号9や10をつける選手は、ほとんどが1メートル70そこそこなのである。

 サッカーは小さな選手、細い選手でもスターになる可能性のあるスポーツだが、小さな方が、細いほうがいいというわけではない。同じ技術、スピードを持っているのであれば、体格にまさる方がより多くのアドバンテージを持っているのはいうまでもない。

 同じように、野球も技術で体格を補えるスポーツだが、甲子園で投げるような投手、4番打者の平均身長は、サッカーで9、10番をつける選手よりも明らかに大きい。これは、体格のアドバンテージを知る指導者が、大きな選手を我慢して育てているからではないだろうか。

 韓国人は、スペイン人は、日本よりも平均身長で10センチもおおきいだろうか。日本人が小柄だから、ではなく、日本人が育てる努力をしていないから、である。(金子達仁=スポーツライター)

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